『アイ・ヒア・ザ・ミュージック・ナウ』/クリス・コナー』/
オードリー・モリス Afterthoughts/Audrey Morris 

フランク・シナトラ Frank Sinatra SSJ Presents CD

sinatra society of japan

Frank Sinatra フランク・シナトラ

スタンダード・ヴォーカル、ジャズ・ヴォーカルのトップ・スター=フランク・ シナトラ。
シナトラ・ソサエティ・オブ・ジャパン(Sinatra Society of Japan)は、 1981年12月13日、
シナトラの67歳の誕生日の前日、 つまりアメリカ時間で当日に、 熱心なシナトラ・ファン4人によって設立されました。

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TOPSinatra Society of Japan presentsスタンダード・ヴォーカル・アルバムの復刻・発掘>『アイ・ヒア・ザ・ミュージック・ナウ/クリス・コナーsinatra society of japan

『アイ・ヒア・ザ・ミュージック・ナウ』/
クリス・コナー

I Hear the Music Now/
Chris Connor

\2,520 (XQAM-1058)  
録音:1959年/circa1966年 世界初CD化
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クール・ヴォイズの代表格クリス・コナーが軽やかに、あるいは奔放に歌ったラジオ番組を集めたコレクターズ・アイテム。スタジオ録音とはひと味違う一面が興味深い。
 


1. Strike Up the Band/ストライク・アップ・ザ・バンド    >>試聴
2. I Hear the Music Now/アイ・ヒア・ザ・ミュージック・ナウ   >>試聴
3. Misty/ミスティー   >>試聴

4. It Don't Mean a Thing/スウィングがなけりゃ意味がない   >>試聴

5. Blow, Gabriel, Blow/ブロウ、ゲイブリエル、ブロウ   >>試聴

6. Senor Blues/セニョール・ブルース   >>試聴
7. God Bless the Child/ゴッド・ブレス・ザ・チャイルド   >>試聴
8. The Lonesome Road/ザ・ロンサム・ロード    >>試聴

9. Spring Can Really Hang You Up the Most/
  スプリング・キャン・リアリー・ハング・ユー・アップ・ザ・モースト    >>試聴

10. Black Coffee /ブラック・コーヒー  >>試聴
11. Witchcraft/ウィッチクラフト   >>試聴
12. Baltimore Oriole/ボルティモア・オリオール  >>試聴
13. Goin' Out of My Head/ゴーイン・アウト・オブ・マイ・ヘッド  >>試聴
14. Manha de Carnaval/カーニヴァルの朝(黒いオルフェ)  >>試聴
15. Nowhere Man/ノーホエア・マン  >>試聴
 
 

 

クリス・コナーの初来日

1962年1月にクリス・コナーは初の日本公演をおこなった。帯同したのはロニー・ボール(p)、ベン・タッカー(b)、デイヴ・ベイリー(ds)で、ホレス・シルヴァー(p)が率いるクインテットも一緒にやってきた。このときの公演プログラムを見ると、1月2日の東京・産経ホールを皮切りに、東京で11回、名古屋で1回、大阪で4回、神戸で1回、京都で2回の計19回のコンサートが組まれており、そのすべてがホール公演である。本場アメリカからのアーティストが少なかった時代にしかもクリスやホレスという大物のダブル・ビリングだったとはいえ、今では考えられない規模のツアーである。ジャズがずっとずっとホットな歓迎を受けていた時代だったことを物語っている。

『スイング・ジャーナル』誌の1962年2月号がこのツアーの興奮を伝えている。「モダン・ジャズで明けたお正月 〜 コナー、シルヴァーの東京日記」と題された巻頭グラビアの6ページがいきなり目に飛び込んでくる。一行が到着したのは1961年12月30日で、成田ではなくまだ羽田の時代だが、空港での歓迎風景のスナップにある普段着風のクリスがロシアのオバサン然としていてオカシイ。翌日はリハーサルのあとに万世でスキヤキ・パーティー(今も昔も外人さんはスキヤキが大好き?)、元旦は前の年にアート・ブレイキーの一行を熱烈歓迎して有名になった白木秀雄‐水谷良重宅での白木のバースデイ・パーティーだ。今は建て替えられてしまった産経ホールの楽屋風景やこちらも今はないニュー・ラテン・クォーターで開かれたレセプションに招かれた読者たちとの交流風景、といった具合である。海外アーティストが当たり前になった昨今では考えられない密着取材ぶりだ。 そしてライヴ・レポートだが、久保田二郎氏が4ページにわたって詳細に報告した上に、日本のミュージシャンやシンガー、評論家、画家の岡本太郎氏、映画監督の羽仁進氏、ファンら総勢19名による寸評あるいは感想が2ページそれに続く。 しかしまだ終わらない。編集部による「説教師達の休日」と題された記事が4ページ、クリスとホレスへのインタビューが合わせて3ページとてんこ盛りで、映画スターかロック・スター並みの扱いである。今のジャズ誌からこういった熱気はとうに消え失せてしまっている。
歓迎レセプションへの愛読者招待の報告が2ページ、オマケとして来日メンバー全員の住所を掲げたコラムもあり、「シルヴァーやコナーたちに手紙を書きましょう!」とある。う〜ん、かゆいところに手が届く?

クリスの貴重なラジオ放送音源

クリス・コナーの初来日について長々と書いてしまったが、それはこのアルバムの@〜Iに、クリスのレギュラー・トリオだったロニー・ボール(p)、ベン・タッカー(b)、デイヴ・ベイリー(ds)が参加していたからである。
本作『アイ・ヒア・ザ・ミュージック・ナウ』は、1959年と1966年(ごろ)にクリスが出演したラジオ番組の音源で構成されている。
@〜Iが1959年の録音で、Eまでは米空軍が提供していたラジオ・ショウ「Sound Flight Into Jazz (#55〜60)」で、ギターのマンデル・ロウも参加している。Fもやはり米空軍提供の「Sounds of Freedom (#4)」で、伴奏はロニー・ボールのトリオ。G〜Iは大統領直轄のThe Office of Civil and Defense Mobilization(民間及び国防有事対策本部とでも訳すのか?)が提供していた番組「Stars for Defense (#178)」が音源で、GとHにはトリオに加えてバリー・ガルブレイス(g)も参加している。レコーディング・キャリアでいえばアトランティック時代の後期にあたる。
そのあとの5曲は1966年ごろの録音なので、ABCパラマウント・レコード時代ということになる。JとKはやはり「Stars for Defense (#236)」(スポンサーはこのころまでに民間防衛本部と改称)で、L〜Nは米財務省が国民に国債の購入を促すために制作された番組「Savings Bonds」のための録音(#1024)である。
クリスは、1962年にアトランティックとの契約を満了したあと、FMレーベルにNYCヴィレッジ・ゲイトでのライヴ盤とパリでのスタジオ録音の2枚のアルバムを吹き込み、その後ABCで『クリス・コナー・シングズ・ジェントル・ボザノヴァ』(1965年)と『ナウ!』(1966年)という2枚のアルバムを発表した。これらABC盤は、アトランティック時代に比べ、ジャズ度がかなり薄まりポップ調になっていたが、本CDでもその変化を踏襲している。
このアルバムの一番の聴きどころは、同じ曲でもアトランティックでのスタジオ録音とかなり違った印象を受ける@〜Iである。スタジオ録音ではトリオあるいはカルテットより大きな編成で全体のサウンドも意識しながら完成度の高い歌を目指したのに対し、ラジオという気軽さも手伝ってか、鋭敏に反応するレギュラー・トリオをバックに柔軟かつ闊達そして自在にホットな歌を展開する。エモーションを抑制したクール・ヴォイスの代表格クリスの別の一面に接することのできる貴重な記録である。

                        曲目解説

@ストライク・アップ・ザ・バンド
1927年にアイラ・ガーシュインが作詞、ジョージ・ガーシュインが作曲した。クリスのスタジオ録音は2枚組の『ザ・ジョージ・ガーシュイン・オールマナック・オブ・ソング』(1957年録音)に収録されているが、穏やかなスウィング・アプローチだ。
Aアイ・ヒア・ザ・ミュージック・ナウ
19世紀フランスの作曲家シャルル・ルイ・アンブロワーズ・トーマの歌劇『レイモン』(1851年)の序曲をもとに、ジェリー・シーレンが作詞、サミー・フェインが作曲して、1952年にペギー・リーがミュージカル映画『ザ・ジャズ・シンガー』(日本劇場未公開)で歌いデッカに吹き込んだ。メロディーは子守唄の「ハッシャ・バイ」と同じ。恋の到来を歓喜とともに歌っているが、メロディーは哀愁調だ。クリスのスタジオ録音はアルバム『ウィッチクラフト』(1959年)に収録されているが、今回のほうが一途な情熱をよりダイレクトに伝えている。
Bミスティー
1954年にエロール・ガーナーが書いたメロディーに、1955年ジョニー・バークが歌詞をつけた。シングル・リリースされたクリスのスタジオ録音(1959年)はアルバム『ア・ジャズ・デイト・ウィズ・クリス・コナー』に追録。
Cスウィングがなけりゃ意味がない
1932年にアーヴィング・ミルズが作詞、デューク・エリントンが作曲した。クリスのスタジオ録音はないが、ライヴ盤『クリス・イン・パーソン』(1959年)で歌っている。ややテンポを上げた本CDのほうがホットで乗りもよい。
Dブロウ、ゲイブリエル、ブロウ
コール・ポーターが作詞作曲して、1934年のブロードウェイ・ミュージカル『エニシング・ゴーズ』で紹介された。アルバム『クリス・クラフト』(1958年)に収録されているクリスのスタジオ録音はレイドバックした歌いぶりで、エンディングがやや物足りない。今回は疾走感と高揚感をもって突き進んでいく。
Eセニョール・ブルース
1962年正月一緒に来日したホレス・シルヴァーが作曲して、ホレスのアルバム『6ピーシズ・オブ・シルヴァー』(1956年/ブルーノート)に収録された。作詞もホレスで、シングル・リリースされたクリスのスタジオ録音(1959年)はアルバム『ア・ジャズ・デイト・ウィズ・クリス・コナー』のCDに追録されているが、シングル・ヒットを狙った味つけで今回のほうがファンキー。
Fゴッド・ブレス・ザ・チャイルド
1941年にアーサー・ハーゾグ・ジュニアとビリー・ホリデイが共作した。クリスのスタジオ録音は日本から帰った年にアル・コーンの編曲指揮で吹き込んだアトランティックへのラスト・アルバム『フリー・スピリッツ』(1962年)に収録。
Gザ・ロンサム・ロード
1928年にシンガーのジーン・オースティンが作詞、ナサニエル・シルクレットが作曲した。ドン・セベスキーの編曲、メイナード・ファーガソン楽団の伴奏でレコーディングされたアルバム『ダブル・エクスポージャー』(1960年)のスタジオ録音は黒っぽいフィーリングを意識していたが、ここでは伴奏のトリオを自在にリードしていく。シンプルでストレートな歌いぶりがいい。
Hスプリング・キャン・リアリー・ハング・ユー・アップ・ザ・モースト
1955年にフラン・ランズマンが作詞、トミー・ウルフが作曲した。クリスのハスキー・ヴォイスとクールな情感表現が曲にマッチしている。クリスのスタジオ録音は『ダブル・エクスポージャー』。
Iブラック・コーヒー
1948年にポール・フランシス・ウェブスターとソニー・バークの共作。ペギー・リーの名唱(デッカ)を意識してか、自身の個性であるクールネスを駆使して聴き応えのある歌に仕上げている。クリスのスタジオ録音は『ダブル・エクスポージャー』。
Jウィッチクラフト
1957年にキャロリン・リーが作詞、サイ・コールマンが作曲して、ナイトクラブでのレヴュー『テイク・ファイヴ』で紹介され、フランク・シナトラのキャピトル盤で大ヒットした。クリスのスタジオ録音は『ウィッチクラフト』に収録。このナンバーは溌剌と歌うアトランティック盤に軍配が上がる。
Kボルティモア・オリオール
1942年にポール・フランシス・ウェブスターが作詞、ホーギー・カーマイケルが作曲した。カーメン・マクレイが鳥をテーマにしたアルバム『バーズ・オブ・ア・フェザー』(1958年/デッカ)で歌っていた。クリスのスタジオ録音は『ウィッチクラフト』。
Lゴーイン・アウト・オブ・マイ・ヘッド
ここからはABC時代の歌になる。1964年にテディ・ランダッゾとボビー・ワインスタインが共作し、リトル・アンソニーとインペリアルズのDCP盤がビルボード・チャートの6位まで上昇した。クリスのスタジオ録音はドン・セベスキーが編曲指揮したアルバム『ナウ!』(1966年)に収録。ABC盤より自在に歌っていて、クリスらしい。
Mカーニヴァルの朝 (黒いオルフェ)
映画『黒いオルフェ』(1959年)のために、アントニオ・マリアが作詞(ブラジル語)、ルイス・ボンファが作曲した。英詞はジョージ・ワイス、ヒューゴー・ペレッティ、ルイジ・クレアトーレ。クリスのスタジオ録音は『ナウ!』。
Nノーホエア・マン
ジョン・レノンとポール・マッカートニー、1965年の作品。ビートルズのキャピトル盤がビルボード・チャートの3位まで上昇しミリオンセラーとなった。これも『ナウ!』に収録。
                                               (2012.7.25. 三具 保夫)

パーソネル
@〜N:クリス・コナー(vo)
@〜E:ロニー・ボール(p)、ベン・タッカー(b)、デイヴ・ベイリー(ds)、マンデル・ロウ(g)
F:  ロニー・ボール(p)、ベン・タッカー(b)、デイヴ・ベイリー(ds)
G〜I ロニー・ボール(p)、ベン・タッカー(b)、デイヴ・ベイリー(ds)、バリー・ガルブレイス(g on G H)
J〜K:ロイ・ブロック・オーケストラ
L〜N:セイヴィングズ・ボンズ・オーケストラ(ロイ・ブロック指揮)

録音
@〜I:1959年
J〜N:1966年ごろ

 

 


 

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