『ユーヴ・チェインジド』/メロニー・アーヴァイン You've Changed Mellonie Irvine

フランク・シナトラ Frank Sinatra SSJ Presents CD

sinatra society of japan

Frank Sinatra フランク・シナトラ

スタンダード・ヴォーカル、ジャズ・ヴォーカルのトップ・スター=フランク・ シナトラ。
シナトラ・ソサエティ・オブ・ジャパン(Sinatra Society of Japan)は、 1981年12月13日、
シナトラの67歳の誕生日の前日、 つまりアメリカ時間で当日に、 熱心なシナトラ・ファン4人によって設立されました。

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TOPSinatra Society of Japan presents新録音シリーズ>『ユーヴ・チェインジド』/ メロニー・アーヴァイン

『ユーヴ・チェインジド』/
メロニー・アーヴァイン
You've Changed
Mellonie Irvine
特別価格
 (XQAM-1508)
原盤:Mellonie Irvine Jazz
録音:2005 ~ 2007年 日 本 デ ビ ュ ー ・ ア ル バ ム
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   憂いをふくんだメローな歌声でしっとりと傷心を歌う,21世紀のトーチ・シンガー。 今話題のクリスチャン・ジェイコブ(音楽監督・編曲・ピアノ)の全面協力を得て、 切ない女心を歌い綴る珠玉のバラード集。
 


1. You Don't Know What Love Is/ユー・ドント・ノウ・ホワット・ラヴ・イズ >>試聴
2. The Man I Love/ザ・マン・アイ・ラヴ>>試聴
3. You've Changed/ユーヴ・チェインジド >>試聴
4. Save Your Love for Me/セイヴ・ユア・ラヴ・フォー・ミー>>試聴
5. The Meaning of the Blues/ザ・ミーニング・オブ・ザ・ブルース>>試聴
6. On a Slow Boat to China/オン・ア・スロー・ボート・トゥ・チャイナ>>試聴
7. More Than You Know/モア・ザン・ユー・ノウ>>試聴
8. Close Your Eyes/クローズ・ユア・アイズ>>試聴
9. Love Is Here to Stay/ラヴ・イズ・ヒア・トゥ・ステイ>>試聴
10. Gee Baby, Ain't I Good to You/ジー・ベイビー、エイント・アイ・グッド・トゥ・ユー>>試聴
11. The Shadow of Your Smile/いそしぎ>>試聴
 

女性ヴォーカルの魅力に溢れたメロニー・アーヴァイン

 一聴して惹きこまれる音色は器楽、声楽を問わず一流ミュージシャンたる証しである。いやスターたり得るミュージシャンの不可欠の条件といえるだろう。メロニー・アーヴァインはまずの魅力のある声にめぐまれている上に、トーチ・ソングを歌うとそれが切ないほどに活かされる得難いヴォーカリストだ。遅咲きながらその表現力はスター・シンガーの素質十分で、これがデビュー・アルバムである。
 メロニー・アーヴァインは1957年3月27日、ハリウッドの生まれ。幼時からフランク・シナトラ、トニー・ベネット、ディーン・マーティンの音楽にかこまれて成長した。子供らしく同時代のポップス(Swinging Popといっているからおそらくニール・セダカ、コニー・フランシスの類)にも夢中になった。早くも4歳のときにはこれらのシンガーのレコードにあわせて家族や友達の前で歌ったという可愛らしい楽歴(?)もある。その後教会の合唱隊に入ったり、ギターを習ったりしながら興味の範囲をひろげてゆき、15歳のときダイアナ・ロスが主演しビリー・ホリデイを演じた映画 “Lady Sings The Blues”(邦題『ビリー・ホリデイ物語 〜 奇妙な果実』)に出会うことになる。この経験は相当強烈なものだったようで、ジャズの虜となるとともにダイアナ・ロスのエモーショナルな歌い方にもショックをうけた。
 「まるで催眠術にかかったように一週間というもの、何も手につきませんでした」という。
こうした感受性をもちながら、本格的な音楽の学習は近々この8年に過ぎない。彼女の年齢にして43歳からということになる。以下彼女との一問一答。
―― 好きなヴォーカリストは?
 「ずっと女性シンガーにひかれていました。バーブラ・ストライザンド、ダイアナ・ロス、ロバータ・フラック、チャカ・カーンそしてビリー・ホリデイ。それと同時にマイケル・ジャクソン、スティーヴィー・ワンダー、マーヴィン・ゲイなどモータウン関連も一通りね。そしてずっと後になってフランク・シナトラの素晴らしさがしみじみとわかるようになりました」。
―― 影響をうけたヴォーカリストは?
 「バーブラ・ストライザンド、ダイアナ・ロス、ビリー・ホリデイ、それにフランク・シナトラ」。
―― プロになるきっかけはいつ、どんな機会に?
 「いつとははっきりしていませんが、常にアーティストのように感じることを心がけてきました。歌うきっかけは離婚や子供を亡くした心痛を乗り越えようとしていた時期です。歌うことが浄化作用になったんですね。わたしの歌を人々が喜んでくれることが分かって、それで勇気をもって生き続けることができたし、その結果がこのCDになったのです」。

 本作『ユーヴ・チェインジド』にはメロニーがプロデュースを委託したドラムスのケヴィン・ワイナードはじめ多くのミュージシャンが参加しているが、現在のロサンゼルス・エリアの実力者たちが結集したと言っていいだろう。それも彼女の日ごろの交友関係がものをいって、それからそれへと話はスムースに進んだようだ。きっかけは彼女がサンタ・バーバラの「ロベロ・シアター」にティアニー・サットンを聴きに行き、楽屋でティアニーやバンドのメンバーと歓談したところから出発した。その場でクリスチャン・ジェイコブがアレンジとピアノに決まり、ベーシストのケヴィン・アクストも自分から参加を申し出てくれた。他にマット・キャティンクーブ(ts)、カール・サーンダース(tp)らが参加しているが、曲目毎にクレジットしていこう。
 ちなみにメロニーとケヴィン・ワイナードはすでに二枚目のCDの企画を練りはじめており、それはよりアップ・テンポの曲目を集めたものになる予定で現在メンバーの人選に入っているという。

―― 最後に日本のファンへのメッセージは?
 「音楽が私に教えてくれたもの、それは夢を追い求め実現させることは幾つになってもできるということです。ピーター・パンの言うように、すばらしいことを思えば飛ぶことだってできるのです。そんな私の気持ちを分かちあってくだされば嬉しいです」。

メロニー・アーヴァインの魅力を際立たせる名曲

@ユー・ドント・ノウ・ホワット・ラヴ・イズ
 ドン・レイとジーン・デ・ポールの共同作品。1941年にコメディー・チーム、アボット=コステロが主演した映画『Keep ‘Em Flying』(1949年日本公開時の邦題『凸凹空中の巻』)に挿入された。映画そのものはとっくに忘れ去されたが、この曲はその後多くのジャズメンがとりあげ永遠のスタンダードとなった。歌ではビリー・ホリデイの名唱が忘れ難いが、ビリーの影響下から出発したメロニーの歌も堂々この名歌の歴史を作った。彼女の拗ねるような歌いぶりがなんともこの曲に合っている。歌謡性に富んだクリスチャン・ジェイコブのピアノ・ソロが素晴らしい。

Aザ・マン・アイ・ラヴ
 アイラ・ガーシュウィン作詞、ジョージ・ガーシュウィン作曲。1924年のミュージカル『Lady Be Good!』のために書かれたが用いられず、1927年『Strike Up The Band』に挿入されたがヒットはしなかった。この曲に目をつけたのは1930年代のジャズメンたちで、以後今日に至るまで人気は衰えない。女性の男性に対する思慕の情を歌ってメロニーの気だるさが利いている。切なさと憧憬のあわいが彼女の本領。名人カール・サーンダースが絶妙のトランペット・ソロ。

Bユーヴ・チェインジド
 ビル・ケアリー作詞、カール・フィッシャー作曲。ディック・ヘイムズが初演(1942年ハリー・ジェイムズ楽団と)したように男女いずれが歌ってもよいのだが、女性シンガーのほうが情趣が際立つ曲である。心変わりを嘆く心情の吐露だが、メロニーの表情には「さのさ」ではないが「欲しくばあげましょ、熨斗つけて」という強がりがあって可愛らしい。男性ではこうはいくまい。しっかりと「初めて私の惚れたひと」という矜持すら示してお見事。テナーのソロはマット・キャティングーブ。

Cセイヴ・ユア・ラヴ・フォー・ミー
 バディ・ジョンソン作詞・作曲。彼は戦中から戦後にかけてジャズとR&B、ジャイヴの間をボーダーレスに活動した作曲家、バンドリーダー。スタンダードとなった曲はほかに “Since I Fell for You” がある。「どうしてあなたなんかに惚れちゃったの」という一方的な愛の歌。彼女の甘い舌足らずの声が色っぽい。ケヴィン・ワイナードがジョージ・ベンソン張りの声でメロニーとのデュエットを聴かせる。

Dザ・ミーニング・オブ・ザ・ブルース
 ボビー・トループとリーア・ワース1957年の作品。「恋人が行ってしまうまでブルーは夏の晴れわたった空の色、幸せの青い鳥の色と思っていた。でもいまはブルースの意味が身に沁みる」といった歌意で、喪失感に沈み込むメロニーの表情が心をうつ名唱。ビリー・ホリデイを思わせる小節がなんとも遣る瀬無い。

Eオン・ア・スロー・ボート・トゥ・チャイナ
 フランク・レッサー作詞・作曲。1948年の作品で、同年ケイ・カイザー楽団がミリオン・セラーを記録した。ハードバップ初期にソニー・ロリンズがテナー・ソロのお手本のような名演を残した。メロニーのコミカルな面が楽しめる。男性的なテナーのソロはマット・キャティングーブ。

Fモア・ザン・ユー・ノウ
 1929年にビリー・ローズとエドワード・エリスクが作詞しヴィンセント・ユーマンスが作曲して、ミュージカル『グレイト・デイ』に挿入された。メロニーは「聞きしに優る私の想い」つまり惚れた弱みを吐露して見事。身体が火照るような女心の表現はメロニーの独壇場。トランペット・ソロはジェフ・エリオット。

Gクローズ・ユア・アイズ
 女流作曲家バーニス・ペットケア1933年の作品。映画やミュージカルとは無関係の独立歌曲で、このカテゴリーでは数少ない成功例といえるだろう。「目を閉じて、開いたときにそばにいるのは私なのよ」というどちらかといえば女性向きの歌。この歌は最初の “Close your eyes” の一言に千金の価値がある。ここで聴き手を落とせれば後は一気呵成。メロニーの声には人蕩しの魔力がある。トランペット・ソロはカール・サーンダース。

Hラヴ・イズ・ヒア・トゥ・ステイ
 アイラ・ガーシュウィン作詞、ジョージ・ガーシュウィン作曲。1938年のミュージカル映画『TheGoldwyn Follies』のために書かれたジョージ最後の作品。作曲途中で亡くなったため親友のオスカー・レヴァントとヴァーノン・デュークが補作して完成させた。この曲としては珍しくエイト・ビートのアレンジ。リズムにのって軽快なところを聴かせる。

Iジー・ベイビー、エイント・アイ・グッド・トゥ・ユー
 アンディ・ラザフとドン・レッドマンが作詞、ドン・レッドマン作曲。1929年にビル・マッキニーとコットン・ピッカーズが初演した。「こんなに尽くしてもまだ不満があるの?」という内容がコミカルに歌われる。デュエットの男性ヴォーカルはケヴィン・ワイナード。テナーはレッド・ホロウェイ。

Jいそしぎ
 ポール・フランシス・ウェブター作詞、ジョニー・マンデル作曲。映画『いそしぎ』(1965年)の主題歌として同年のアカデミー賞を受賞した。恋の切なさを歌った傑作だが、旋律の美しさは伝わっても溢れる情感まで歌いきるのはなかなか難しいものがある。沈潜したなかにも艶めいたものを感じさせるメロニーの声質が活きる。官能美も彼女の魅力のひとつ。メロニーにひとり寄り添うクリスチャン・ジェイコブのピアノがここでも美しい。      


 (2008年5月17日 小針俊郎)
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