『インディアン・サマー』 /    グレッグ・フィッシュマン with エディ・ヒギンズ  Indian Summer/ Greg Fishman

フランク・シナトラ Frank Sinatra SSJ Presents CD

sinatra society of japan

Frank Sinatra フランク・シナトラ

スタンダード・ヴォーカル、ジャズ・ヴォーカルのトップ・スター=フランク・ シナトラ。
シナトラ・ソサエティ・オブ・ジャパン(Sinatra Society of Japan)は、 1981年12月13日、
シナトラの67歳の誕生日の前日、 つまりアメリカ時間で当日に、 熱心なシナトラ・ファン4人によって設立されました。

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TOPSinatra Society of Japan presentsジャズ・アルバム (インストゥルメンタル)>『インディアン・サマー』 /グレッグ・フィッシュマン with エディ・ヒギンズ

『インディアン・サマー』 /
グレッグ・フィッシュマン
with エディ・ヒギンズ
Indian Summer/
Greg Fishman
特別価格
 (XQAM-1607)
原盤:JRレコード
録音:1999年7月2日/シカゴ  日 本 初 登 場
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   スタン・ゲッツの伝統とスピリットを今に受け継ぐ名手グレッグ・フィッシュマン(ts)と ベテラン・ピアニスト=エディ・ヒギンズが繰り広げる、滋味あふれる豊饒のデュオ・アルバム。
 


1. Looking Up /インディアン・サマー>>試聴
2. Even Mice Dance/オール・ジズ・アンド・ヘヴン・トゥー  >>試聴
3. Dumb Breaks/ アイ・ソート・アバウト・ユー>>試聴
4. Colors/ハーシー・バー>>試聴
5. Brazilian Suite/オ・グランジ・アモール>>試聴
6. Indian Summer/オールド・フォークス>>試聴
7. Rachid/ユーヴ・チェンジド  >>試聴
8. 13th /ホワット・イズ・ジス・シング・コールド・ラヴ>>試聴
 
 
 

 

名人同士の暖かい交歓
グレッグ・フィッシュマン待望の国内盤アルバム

往年のレスター・ヤング(ts)とテディ・ウィルソン(pf)のコンビネーションを思わせるテナー・サックスとピアノのデュオ・アルバムである。
テナーはグレッグ・フィッシュマン、ピアノにエディ・ヒギンズ。ピアノとホーンだけの編成だが実に音楽的密度の濃いアルバムである。というのもデュエットの醍醐味がぎっしりと詰まっているからだ。ご両人気息をあわせて集散を繰り返しながら相互に感応し、時に挑発しあって高く舞い上がり、鮮やかに着地する。リズム・セクションの不在が却ってこの奔放さを生み出しているのだ。ベースラインはテディ・ウィルソン張りのエディの左手ががっちりと押さえ、リズムはといえば、すでに選曲の時点で最適のテンポが二人の身体のなかに入っていたはずである。おそらくは瞬息のうちに合意して、あとは「さあ、やろうじゃないか」とばかりにレコーディングを始めたにちがいない。果たして極上の大人のジャズが出来上がった。連合い、寄添い、惹きあいするかと思えば一方が独走先行、追尾の一方が追いつくや縺れあって別の次元に跳躍する。小気味よいばかりに進退自在である。
由来ジャズの歴史にはデュエットの名演は数多くある。しかし奏者にとっては決して楽ではない。しかしデュエットの場合相手の動きをみなければ当方の出方も決まらない。作戦を予め立てることはできないのである。そう、ここで言うデュエットは二人の演奏がいかに止揚するかが重要であって、単なる重奏やソロの応酬を言うのではない。だから演奏技量の巧拙、楽想の貧富の違いが露骨に出てしまう。スポーツで言えばテニスのような対戦競技である故に、聴き手はその真剣勝負に最もジャズ的なスリルを感じるのだ。
ジャズ・ジャーナリストのダグ・ラムゼイは、史上の名勝負としてルイ・アームストロング(tp)とアール・ハインズ(pf)、デューク・エリントン(pf)とジミー・ブラントン(b)、ジム・ホール(g)とビル・エヴァンス(pf)、オスカー・ピータースン(pf)とジョー・パス(g)等を挙げている。いずれも技量楽想において抜群であり、名前を見ただけで打々発止の音がきこえてきそうな顔ぶれである。
ではこのアルバムは?ラムゼイ氏は看過したようだが、私はレスター・ヤングとテディ・ウィルソンを挙げておきたい。ブランズウィックやヴァーヴに残された彼らの演奏には、勝負とは言っても二人の間に互いに慈しみ合うような趣もあって、当アルバムに一番近い気がするからである。

演奏者について

 スタン・ゲッツの信奉者であり研究家であるグレッグ・フィッシュマンは1967年シカゴ生まれ。テナーの他にフルートを持ち替えるマルチ・リード奏者。ルイ・ベルスン、スライド・ハンプトン、ジャッキー・アンド・ロイ、ルー・リーヴィ、マリアン・マクパートランド、コンテ・カンドリ、クラーク・テリー、そしてウディ・ハーマン、ラルフ・バーンズという一流ミュージシャンとつきあってきた。音色やフレージングの好みから推察されるように、スタン・ゲッツを崇拝するグレッグ・フィッシュマンにとってウディ・ハーマン楽団、ラルフ・バーンズ楽団での演奏はまたとない経験だったと思われる。以下は想像だが両楽団において「アーリー・オータム」を演奏しなかったはずはない。当時どれほど吹けたかは判らないが、ゲッツが名声を確立するきっかけとなった曲を世に広めたセカンド・ハードのリーダーや、作曲者自身との共演は、フィッシュマンのゲッツへの一途な傾倒振りから推して、身のうちが震えるような感動であったはずである。現在は楽旅以外の時間はシカゴに腰をすえて周辺のジャズ・クラブで演奏する一方、ジャズの教育者、テナー・サックス奏法の教授としても活躍中である。1998年以降ギターのパウリーニョ・ガルシアと組んでボサ・ノヴァを演奏する「トゥー・フォー・ブラジル」を結成し、これにポーランド出身の女性シンガー、グラジエナ・アウグスチックを加えた「スリー・フォー・ブラジル」で2度の来日公演を行っている。因みにグレッグ・フィシュマン夫人はシカゴで著名なピアニスト/ヴォーカリストのジュディ・ロバーツである。

一方共演のエディ・ヒギンズは1932年ニュー・イングランド生まれ。グレッグ・フィッシュマンと同じくノースウエスタン大学音楽科の出身である。在学中からプロのピアニストとして活動を開始し、シカゴの有名ジャズ・クラブに出演。とくに1957年から1969年までの12年間は名高い「ロンドン・ハウス」の専属ピアニストとして、このクラブを訪れるディジー・ガレスピー、スタン・ゲッツなど多くのジャズ・ジャイアンツと共演した。
演奏のスタイルはナット・キング・コールからハンク・ジョーンズに通じる中間派〜モダン派でスマートなセンス、心地よいスウィング感が持ち味。ピアノ史上の巨人であるアート・テイタムやテディ・ウィルソンを研究した跡も伺える。ヒギンズについてフィッシュマンはこう言っている。
「エディはこのところずっと、ぼくの最も好きなピアニストです。1991年のアンディーズ(シカゴのジャズ・クラブ)大晦日のセッションは最高でした。我々はリハーサルも無しにただ演奏を始めて、そしてやってのけた。彼の威厳のある立派な音色、ぼくには二秒も聴けば判るんです、これこそエディ・ヒギンズだってね」

『インディアン・サマー』について

このアルバム『インディアン・サマー』は、1999年エディ・ヒギンズがシカゴのクラブ「ジャズ・ショウケース」に出演中の一夜、『ポップス・フォー・シャンペーン』という可笑しな名前のクラブに出演中のグレッグ・フィッシュマンを聴きに訪れたことが契機となって生まれた。このときフィッシュマンのステージは夫人であるジュディ・ロバーツとの共演であった。
その晩ヒギンズはフィッシュマンに誘われ2曲共演したが、演奏を始めたとたんフィッシュマンにはピンとくるものがあった。予定外の共演に狂喜したファンの反応をみてレコーディングの話をもちかけた。
「もし私がスタジオを押さえたら、一緒にアルバムを作るお気持ちはありますか?」
ヒギンズは即答:「それは素敵な話じゃないか!」
数日後、ヒギンズの『ショウケース』での仕事が終了した深夜、二人はスタジオに入り、直ちにフィッシュマンが用意した8曲の録音を開始。全くリハーサルは行わず、補整のための録り直しも無し。すべてワン・テイクだというから多少の休憩時間をいれても2時間もかからなかったに違いない。ただ一つの例外は「ハーシー・バー」で、より活気のあるテンポでセカンド・テイクを録音し、アルバムにはこれが採用されている。録音順も一箇所をのぞいてアルバムの曲順と同じである。異同は7曲目に録った「ホワット・イズ・ジス・シング・コールド・ラヴ」をラスト・ナンバーにすることが適切と考え、最後に録った「オ・グランジ・アモール」を5曲目にもってきたことだ。



【 曲目 】

@インディアン・サマー
ミュージカルの草創期に活躍した作曲家ヴィクター・ハーバートの作品。フィッシュマン、ヒギンズと続くソロのあとのフォー・バース・チェンジが聴きもので、二人の暖かい交歓の様が手に取るようにわかる。

Aオール・ジス・アンド・ヘヴン・トゥー
エディ・デ・ランジ(作詞)とジミー・ヴァン・ヒューゼン(作曲)の1940年の作品。同年トミー・ドーシー楽団が入団間もないフランク・シナトラをフィーチャーしてレコーディングしている。多彩なリズムとフレージングを次々と繰り出していく名人芸が見事。

Bアイ・ソート・アバウト・ユー
ジョニー・マーサー(作詞)とジミー・ヴァン・ヒューゼン(作曲)が作った1939年の作品。「ザ・サウンド」といわれたスタン・ゲッツの美しい音色を彷彿とさせるフィッシュマン。ゲッツの「歌への志」を継承する彼なればこそ、その音色を活かせるのだ。

Cハーシー・バー
ジョニー・マンデルが作曲したバッピッシュな一曲。スタン・ゲッツの十八番でルースト・レーベルにスタジオ録音とライヴ録音が残されており、ともに名演として名高い。ゲッツ版より多少遅めだが、それだけに悠然たるフィッシュマンのテナーが聴き所。

Dオ・グランジ・アモール
ヴィニシウス・ジ・モラエス(作詞)とアントニオ・カルロス・ジョビン(作曲)のボサノヴァ作品。「ゲッツ=ジルベルト」のフレーズをトレースするのかと訝る向きもあろうが、その点は心配無用。精神は継承しつつ独自の歌心を披露する。

Eオールド・フォークス
デディット・リー・ヒル(作詞)とウィラード・ロビソン(作曲)の1938年の作品。フィッシュマン、ヒギンズ一体となった3拍子による躍動感が素晴しい。

Fユーヴ・チェンジド
ビル・キャリーとカール・フィッシャーによる1942年の作品。ここで聴かれるのはフィッシュマンのメロディー・コーラスだけの演奏だが、そのセンティメンタリズムが切々と胸にせまる名演である。

Gホワット・イズ・ジス・シング・コールド・ラヴ
コール・ポーターがミュージカル『ウェイク・アップ・アンド・ドリーム』のために作詞作曲した1929年の作品。スロー・バラードとして歌われることが多いが、ここでの演奏は珍しく快速調。ヒギンズのバッキングがアグレッシヴでそれを受けたフィッシュマンが熱いソロを展開する。後半は二人が対話するようなフォー・バース・チェンジでしめくくる。

(2007年8月8日 小針 俊郎)
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