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『レッツ・ビー・フランク』 / ピーター・マーシャル with カラブリア・フォーティー Let's Be Frank/ Peter Marshall

フランク・シナトラ Frank Sinatra SSJ Presents CD

sinatra society of japan
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Frank Sinatra フランク・シナトラ

スタンダード・ヴォーカル、ジャズ・ヴォーカルのトップ・スター=フランク・ シナトラ。
シナトラ・ソサエティ・オブ・ジャパン(Sinatra Society of Japan)は、 1981年12月13日、
シナトラの67歳の誕生日の前日、 つまりアメリカ時間で当日に、 熱心なシナトラ・ファン4人によって設立されました。

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TOPSinatra Society of Japan presentsジャズ・アルバム (インストゥルメンタル)>『エヴリシング・ハプンズ・トゥ・ミー』 /アート・ペッパー

『エヴリシング・ハップンズ・トゥ・ミー』 /
アート・ペッパー

Everything Happens to Me/
Art Pepper

\2,520 (XQAM-1620) 原盤:
Pacific Delights
録音:1957年
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1957年、アート・ペッパー絶頂期のライヴ録音。かつて『ショウ・タイム』として出ていた7曲に、未発表を3曲追録。ニュー・リマスタリング。

 


1. All the Things You Are/オール・ザ・シングズ・ユー・アー>>試聴
2. Everything Happens to Me/エヴリシング・ハプンズ・トゥ・ミー>>試聴
3. St. Louis Blues/セントルイス・ブルース>>試聴
4. Stormy Weather/荒れ模様>>試聴
5. Cherokee/チェロキー>>試聴
6. Over the Rainbow/虹のかなたへ>>試聴
7. What Is This Thing Called Love?/恋とは何でしょう?>>試聴
8. Just Another Blues/ジャスト・アナザー・ブルース (未発表)>>試聴
9. These Foolish Things/ジーズ・フーリッシュ・シングズ (未発表)>>試聴
10. Have You Met Miss Jones?/ハヴ・ユー・メット・ミス・ジョーンズ? (未発表)>>試聴
 

 

円熟期を迎えた1957年のアート・ペッパー

本アルバムは、アート・ペッパー(1925〜1982)のキャリアにおける絶頂期の演奏を捉えたものだといえる。ペッパーは、すでに1950年早々からジャズ界において脚光をあびる存在であったが、1954年から56年にかけて麻薬が原因で服役した。これは服役後からようやく従来の調子を取り戻しペッパーならではの演奏を聞ける時期の貴重なドキュメンタリーである。では服役後の1年間にどのようなリーダー・アルバムを吹き込んだかリストアップしたい。
 1956年:
   8月 6日 『The Return of Art Pepper』(Jazz West)
  11月23日  『The Art Pepper Quartet』(Tampa) 
  11月26日 『Art Pepper With Warne Marsh』(Contemporary)
  12月28日  『Modern Art』(Intro)
 1957年:
   1月14日 『Modern Art』(Intro)
   1月19日 『Art Pepper Meets the Rhythm Section』(Contemporary)
   1月28日 本アルバムのカール・パーキンスとのセッション
   2月18日 今回本アルバムに新たに追加された「Antone’s」でのライヴ・セッション
   3月31日 本アルバムのラリー・バンカーとのセッション
   4月 1日 『The Art of Pepper』(Omega)

これらをみると、ペッパーの評価が高く人気のあるアルバムがこの時期に集中していることがわかる。本アルバムは、その1957年に行われたセッションということで重要性が認識されよう。

最初の8曲は、すべて当時のABC TV『Stars of Jazz』という番組からである。番組は今と違って生放送であったそうだ。まず1曲目から4曲目までは、珍しくドラマー及びヴァイブラフォン奏者としても知られているラリー・バンカーがピアノを弾いた3月11日のセッションである。また4曲目では、ペッパーがパム・ラッセルという女性ヴォーカリストのバックもつとめている。Calliopeというレーベルでこのセッションは一度LPとして発表されたことがあるが、『Jazz Hero’s Data Bank』 (JICC出版局)というディスコグラフィーではなぜかピアノがラス・フリーマンと記されていた。しかしこの録音をテープに残したボブ・アンドリュースのノートによればピアノはラリー・バンカーである。また生前のラス・フリーマン本人に尋ねたところ、バンカーがピアニストで間違いないとのことであった。この日はレギュラー・ピアニストのカール・パーキンスがTVスタジオに現れず、ABC TVのスタジオ・ミュージシャンだったバンカーが隣のスタジオにいたのでペッパーが口説いてピアノを弾いてもらったというのが真相のようだ。これは筆者がバンカーに生前インタビューした時に確認している。ただし、パム・ラッセルの歌の時だけは彼女の伴奏者であったヴィクター・フェルドマンが担当した。それにしても、何故パーキンスが来なかったのか、謎は今や迷宮入りだ。

カール・パーキンスが参加したセッションは1月28日である。以前CDでリリースされた時は3曲分しか収録されなかったが、今回のリリースにあたってオリジナル・テープを聴き直したところ「ジャスト・アナザー・ブルース」が残っていたので今回追加した。司会のボビー・トゥループがこの曲をアナウンスしていた。また前回のCDの時、筆者はライナーに『ザ・スティーヴ・アレン・ショウ』からだと記してしまったが、それは間違いだったので、ここで録音月日共々訂正したい。ところでこのセッションではレス・ブラウン楽団にいたこともあるジョー・アン・グリアという女性ヴォーカリストが2曲ほど歌っているが、残念ながらペッパーはバックをつとめていない。グリアーの専属ピアニストであったボビー・ハマックがピアノを担当しドラムスもフランク・キャップに代わり、ペッパーのグループからはベースのベン・タッカーが参加しているがペッパーは参加していないので、本アルバムではオミットした。

ジャム・セッションの少なかった復帰後のペッパー

生前のラス・フリーマンにインタビューした時にいろいろと聞いたのだが、1956年に出所したペッパーは以前ほどジャム・セッションに参加することはなく、どちらかというと引きこもりがちであったそうだ。同様のことをドラムスのチャック・フローレスも語っていた。50年代初めにはいろいろなジャム・セッションに参加して前出のアンドリュースが録音したテープも数多く残されているが、1956〜57年になると上記にリストアップしたアルバムやチェット・ベイカーほかのリーダー・アルバムなど正規の吹き込みは数多いのに、アンドリュースのジャム・セッションのテープの中からはペッパーはほとんど出て来なかった。しかし、今回ロング・ビーチの「Antone’s」というジャズ・クラブでのセッションでペッパーが演奏しているテープを見つけることができた。 
1957年2月18日におこなわれたこのライヴ・ジャム・セッションでは2曲フィーチャーされている。バックはラス・フリーマン・トリオである。もっとも純粋なカルテット演奏ではなく「ジーズ・フーリッシュ・シングス」ではエンディングでアンサンブルが入るし、「ジョーンズ嬢に会ったかい?」ではトランペットのショーティ・ロジャースのソロも聴ける。
通常はライトハウス・オールスターズとして知られているショーティ・ロジャースたちが何故ロング・ビーチで演奏していたのかという疑問がわくが、これには隠されたエピソードがある。1953年の終わり頃にホームグラウンドであった「Lighthouse」において、ショーティ・ロジャース、ミルト・バーンハート、ラス・フリーマン、ハワード・ラムジー(日本ではラムゼイと書くが)たちがギャラの値上げを要求してストライキをしたことがあったそうだ。賃金アップどころか全員解雇という騒ぎになったのだが、しかしどういうわけかラムジーだけがライトハウス・オールスターズに残って、ボブ・クーパーやフランク・ロソリーノたちを雇い入れて新生ライトハウス・オールスターズとして再出発したのである。以降ロジャースはラムジーと口も利かぬ仲となった。クビになったロジャース一派はロサンゼルスの「54 Ballroom」とかこのロング・ビーチの「Antone’s」をホームグラウンドにして「ショーティ・ロジャース・アンド・ヒズ・ジャイアンツ」というグループ名で活動することになる。フリーマンに口説かれてそのロジャースのバンドのジャム・セッションにペッパーが参加したという次第である。アンドリュースがレコーディングしたこのテープには1〜2時間ほど録音されているが、ペッパーはここに収められた2曲以外では参加していない、もしくはソロを取っていないと思われる。このような経緯もあってこの2曲は大変貴重な記録といえる。

参加ミュージシャンたちのプロフィール

最後に、簡単ながら参加ミュージシャンたちのプロフィールに触れることにしよう。
カール・パーキンス(1928〜1958)はこのレコーディングの翌年30歳を前にして若くして自動車事故死してしまった。ドン・ペイン(1933年生まれ)は本稿執筆時点において現在もフロリダで演奏活動を続けている。

ラリー・バンカー(1928〜2005)は60年代に数年間だけビル・エヴァンス・トリオで活躍していたので知っている人も多いと思う。英国出身のヴィクター・フェルドマン(1934〜1987)はマイルス・デイヴィスのグループに参加してレコーディングしたことで知られている。

ドラムスのチャック・フローレス(1935年生まれ)はすでにリタイヤしているが、現在もプライベートでドラム・レッスンをおこなっている。ベン・タッカーは1930年生まれで、後年ハービー・マンのグループに参加。ヒット曲「カミン・ホーム・ベイビー」でお金持ちになりラジオ局のオーナーになったというエピソードがある。

ヴォーカリストのパム・ラッセルについては、英国出身という以外に情報がない。

本アルバムに収められた曲はすべて手なれたものばかりであるが、「セントルイス・ブルース」だけはペッパーのリーダー・アルバムに入っていないし、クラリネットを吹くペッパーというのも珍しい。1957年の瑞々しくも円熟味を増したペッパーのアルト・サックスを堪能していただきたい。

(2012.5.11. 妙中俊哉/ジャズ・プロデューサー)

パーソネル:
1 – 4  
  アート・ペッパー(as, cl)
  ラリー・バンカー(p except on 4)
  ヴィクター・フェルドマン(p on 4)
  ドン・ペイン(b)
  チャック・フローレス(ds)
  パム・ラッセル(vo on 4)
5 – 8  
  アート・ペッパー(as)
  カール・パーキンス(p)
  ベン・タッカー(b)
  チャック・フローレス(ds)
9 – 10 
  アート・ペッパー(as)
  ラス・フリーマン(p)
  ドン・ペイン(b)
  チャック・フローレス(ds)
  ショーティ・ロジャース(tp)
  バド・シャンク(as)
  ジミー・ジュフリー(ts)
  ミルト・バーンハート(tb)ほか
          
レコーディング:
1 – 4    1957年3月31日/ABC-TV「スターズ・オブ・ジャズ」
5 – 8    1957年1月28日/ABC-TV「スターズ・オブ・ジャズ」
9 – 10   1957年2月18日/カリフォルニア州ロング・ビーチ「アントーンズ」

 

 

 

   

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