『フォー・ワンス・イン・マイ・ライフ』/西村協For Once In My Life/ Kyo Nishimura

フランク・シナトラ Frank Sinatra SSJ Presents CD

sinatra society of japan

Frank Sinatra フランク・シナトラ

スタンダード・ヴォーカル、ジャズ・ヴォーカルのトップ・スター=フランク・ シナトラ。
シナトラ・ソサエティ・オブ・ジャパン(Sinatra Society of Japan)は、 1981年12月13日、
シナトラの67歳の誕生日の前日、 つまりアメリカ時間で当日に、 熱心なシナトラ・ファン4人によって設立されました。

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TOPSinatra Society of Japan presents新録音シリーズ>『フォー・ワンス・イン・マイ・ライフ』/西村協

『フォー・ワンス・イン・マイ・ライフ』/
西村協
For Once In My Life
Kyo Nishimura
特別価格
 (XQAM-1702)
原盤:Cross
録音:2007年2月/ニューヨーク ニ ュ ー ヨ ー ク 新 録 音
>>購入する  

   渋みをましたベテラン・シンガー=西村協による、スティーヴィ・ワンダーのジャズ化だ。 ミンガスのベースを譲り受けたボリス・コズロフ(b)やマーク・ホイットフィールド(g)、 ロニー・キューバ(bs)を始めとするNYCの雄チャールズ・ミンガス・オーケストラの各メンバーによる 力強いサポートぶりも聴きもの。
 


1. For Once in My Life/フォー・ワンス・イン・マイ・ライフ >>試聴
2. You Are the Sunshine of My Life/ユー・アー・ザ・サンシャイン・オブ・マイ・ライフ>>試聴
3. Kiss Lonely Goodbye/キス・ロンリー・グッドバイ >>試聴
4. I Wish/アイ・ウィッシュ(回想)>>試聴
5. Don't You Worry 'bout a Thing/ドンチュー・ウァリー・バウト・ア・シング>>試聴
6. Come Closer /カム・クローサー>>試聴
7. A Place in the Sun/ア・プレイス・イン・ザ・サン(太陽の当たる場所)>>試聴
8. I Just Called to Say I Love You/アイ・ジャスト・コールド・トゥ・セイ・アイ・ラヴ・ユー(心の愛)>>試聴
9. Lately/レイトリー>>試聴
10. You and I/ユー・アンド・アイ>>試聴
11. Too High/トゥー・ハイ>>試聴
12. Overjoyed/オーバージョイド>>試聴
13. Knocks Me Off My Feet/ノックス・ミー・オフ・マイ・フィート>>試聴
 


 西村協の1999年のファースト・アルバム『I’m In The Mood For Love』は、スタンダード・ナンバーを歌ったものだった。何か新しいものを作ってみたいと第二作目の企画をプロデューサーでピアニストの若宮功三と話している中で、スティーヴィ・ワンダーの名前が挙がった。「You Are the Sunshine of My Life」など彼の幾つかのナンバーは、多くのジャズ・シンガーが歌っているが、彼の作品を主体に歌ったジャズ・ヴォーカルのアルバムは、今まで聞いたことがないし、もうすぐ還暦を迎え歌手暦も38年になろうという西村としては、幅広く新しいジェネレーションのファンにも聞いてもらいたいという気持ちもあり、これは、面白いということでスティーヴィ・ワンダーへのトリビュートが決まった。

 スティーヴィ・ワンダーの作品から10曲が選ばれ、スティーヴィの歌ったヒット曲であるタイトル曲と「A Place in the Sun」そして、西村が作曲して、ニューヨークで活躍するゴスペル・シンガーのKiYOMiが英詞を書いた「Come Closer」の3曲が加えられた。それらに、西村の歌を良く理解している若宮功三が素晴らしい編曲をほどこし、何度か来日して日本でもお馴染みのベーシスト、ボリス・コズロフ(彼は、チャールズ・ミンガス・バンドの重要メンバーで故ミンガスのベースを譲り受けて弾いている)、ドラムスのテリオン・ガリー、そして、ギターの名手マーク・ホイットフィールドも参加する伴奏陣で2007年2月にニューヨークで録音が行われた。何曲かでは、ホーンを入れた方が良いということになり、ボリス・コズロフが、「それならミンガス・バンドのホーンを使ったら」と言ってくれて、ケニー・ランプトン(tp)、ロニー・キューバ(bs)、ダニー・マカスリン(ts)の強力なホーン陣が参加することになる。ホーンのアレンジは、すべてボリスが行った。昔、ジャッキー・パリスがミンガスのグループで録音したレコードはあるが、ミンガス・バンドと共演のジャズ・ヴォーカルというのは珍しい。西村の歌を見事にサポートするミンガス・バンドのメンバーの参加は、このアルバムに素晴らしい厚みを与えている。

 スティーヴィ・ワンダーの書いた歌は、「I Just Called to Say I Love You」のように、表面的には男女の愛の告白みたいな内容だが、「I-Love-You」という三つの単語の大切さ、もっと普遍的な人類愛というものが歌われているように, 内容的に深く聞き手によって色々な意味にとれるような歌が多いが、そういった歌を西村なりの解釈で心を込めて歌っている。スティーヴィ・ワンダーは、アメリカ人で黒人だが、西村としては、日本人というよりもっと広くアジア人として、スティーヴィの歌の魂を聴き手に伝えたかったという。

 いずれにしても、本アルバムは、西村協にとってエポック・メーキングな作品といえるだろう。早くも次の作品の構想もあり、エルヴィス・プレスリーのジャズ・ヴォーカル・アルバムのアイディアを頭のなかで転がしている。健康に気をくばり、身体的にも、若さを保ちながら、歌ではますます円熟の域に達する西村協の今後の活躍が期待される。



【 曲目 】

@フォー・ワンス・イン・マイ・ライフ
ロナルド・ミラー作詞、オーランド・マーデン作曲。1965年の作品。スティーヴィ・ワンダーが、68年に歌ってヒットした。西村協は、歌詞の後半をヴァースのように歌い、バンドによる合奏の後、私の人生で初めて、私を必要とする人、君に会えた、という喜びを気持ち良く歌い上げる。ケニー・ランプトンのミュート・トランペットのソロが効果的に彼の歌を盛り上げる。 

Aユー・アー・ザ・サンシャイン・オブ・マイ・ライフ
72年にスティーヴィ・ワンダーが書いたヒット・ナンバー。西村協は、ミンガス・バンドの強力なブラスのアンサンブルをバックに寂しかった私を助けに来てくれたあなたは私の幸福の源なのだ、というこの歌を喜びあふれる感じで熱唱する。

Bキス・ロンリー・グッドバイ
奇跡のように取り戻された二人の愛、その喜び、寂しさよ、さようなら、というバラード。ここでは、ピアノ・トリオに後半でマーク・ホイットフィールドのギターが入ってくる伴奏で、ビリー・エクスタインを思い出すようなロマンチックな歌を聞かせる。

Cアイ・ウィッシュ
75年にソウル・チャートで5週間連続一位を記録、グラミー賞も受賞したヒット・ナンバー。『ソングズ・イン・ザ・キー・オブ・ライフ』の中で歌っていた。クリスマスのプレゼントに気をもんだ子供の頃、裏から抜け出して遊んだ子供の頃、悪さをして校長室へつれていかれた子供の頃、楽しかったあの頃が戻ってほしい。といった歌を西村協は、ミンガス・バンドのブラスと絡んで急テンポで歌う。

Dドント・ユー・ウァリー・バウト・ア・シング
73年の『イナーヴィジョン』の中で歌っていたナンバー。過去の経験から他人を信じられなくなった女性に、でも、私がそばにいてあげるから、心配しなくても良いよ、と言うといった内容の歌を西村は、彼女を鼓舞にするがごとく原曲と同じようにマンボのリズムに乗って軽快に歌っている。 

Eカム・クローサー
西村協のオリジナル・ナンバー。KiYOMiが英詞を付けている。言葉に表せないほど君を愛している、もっとこっちへおいで、初めて会った時のこと覚えているかい、あの歌を覚えているかい、意地悪をしたこともあったけど、君はいつも許してくれた、といった大人のラヴ・ソング。スティーヴィの歌の中に入っても全く違和感のない綺麗な歌を西村は、気持ちのこもった素晴しい歌で聞かせる。

Fア・プレイス・イン・ザ・サン(太陽のあたる場所)
ロナルド・ミラー作詞、ブライアン・ウェルズ作曲。スティーヴィ・ワンダーの66年の『ダウン・トゥ・アース』の中で歌っていた。陽の当たる希望の場所がどこかにある、生きているうちに探そう、どこまでも行こう、といった歌を力強いベースのイントロから入り、ピアノ・トリオをバックにウォーキング・テンポで決然とした感じで歌う。

Gアイ・ジャスト・コールド・トゥ・セイ・アイ・ラヴ・ユー
84年の映画『ザ・ウーマン・イン・レッド』の主題歌。アカデミー主題歌賞に輝いている。君を愛しているって言う為にちょっと電話してみたんだ、心から愛しているって。という甘い愛の歌を西村協は、ベースだけの伴奏で入り、ピアノ、ギター、ドラムスがかぶさってくる伴奏で、優しく歌う。ナット・キング・コールを思わせるロマンチックな歌だ。

Hレイトリー
80年の『ホッター・ザン・ジュライ』の中で歌われた曲。近頃、変な予感がする、君を失うんではないかと、いつになく香水をつけることが多いし、夜、寝言で他の男の名前を言ったりする。といった歌を西村協は、不安を煽るような、効果的な伴奏をバックに好唱する。

Iユー・アンド・アイ
72年の『トーキング・ブック』の中で歌われた。この地上で、あなたと私、神が恋におちいらせてくれた、世界を征服できそうな気持ち、といった恋の喜びを、西村は、ピアノとマーク・ホイットフィールドの素晴しいギターを中心にした伴奏で明るく歌う。後半で島村智才(ちさ)が参加して彼の歌とハーモナイズする。

Jトゥー・ハイ
  73年の『イナーヴィジョン』の中で歌っていた。私は、ハイなところで、死にそうだ、今日彼女が死んだというニュースを聞いた、といったマリファナを吸ってハイになる事と高さのハイを引っ掛けたような歌を、西村は、カルテットのイントロに続きテンポよく快調な歌で聞かせる。

Kオーバージョイド
  85年の『イン・スクエア・サークル』の中で歌っている。片思いの恋も本当の恋になり、お互いに狂喜するようなこともありうるべし、といった内容を回りくどい言い回しで歌ったナンバー。ピアノとギターのソロを挟んで、ドラムスの活躍する伴奏で西村は、軽快に歌う。

Lノックス・ミー・オフ・マイ・フィート
  75年の『ソングズ・イン・ザ・キー・オブ・ライフ』の中の歌。夏の公園をそぞろ歩き、木の下で寝そべる二人、何かが好きだといわせない心の葛藤、でもあなたが好き、臆病な愛の心をギターとドラムスの活躍するバックでしっとりと歌い最後は「アイ・ラヴ・ユー」の繰り返しでフェード・アウトして行く。




(2007.9. 高田敬三)
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