『レッツ・フライ・アウェイ:コール・ポーター・ソングブック』/金丸正城 with クリスチャン・ジェイコブ&ダイアン・ハブカLet's Fly Away: The Cole Porter Songbook/ 金丸正城 with クリスチャン・ジェイコブ&ダイアン・ハブカ

フランク・シナトラ Frank Sinatra SSJ Presents CD

sinatra society of japan

Frank Sinatra フランク・シナトラ

スタンダード・ヴォーカル、ジャズ・ヴォーカルのトップ・スター=フランク・ シナトラ。
シナトラ・ソサエティ・オブ・ジャパン(Sinatra Society of Japan)は、 1981年12月13日、
シナトラの67歳の誕生日の前日、 つまりアメリカ時間で当日に、 熱心なシナトラ・ファン4人によって設立されました。

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『レッツ・フライ・アウェイ
:コール・ポーター・ソングブック』/
金丸正城 with クリスチャン・ジェイコブ
&ダイアン・ハブカ
Let's Fly Away: The Cole Porter Songbook
Masaki Kanamaru with Christian Jacob & Diane Hubka    
\2800 (XQAM-1704) 原盤:Golden Circle    
録音:2008年5月19日/東京 最 新 録 音   
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   日本のジャズ・ヴォーカル界をリードする金丸正城が、今最も注目を集めるジャズ・ピアニスト= クリスチャン・ジェイコブの全面協力を得て完成したコール・ポーター作品集。 金丸自身の代表作であるばかりか、日本のジャズ・ヴォーカルの歴史を拓く大傑作である。 クリスチャンのソロも全開、さらに2曲で歌姫ダイアン・ハブカが華を添える。
 


1. From This Moment On/フロム・ジス・モーメント・オン >>試聴
2. It's All Right with Me/イッツ・オールライト・ウィズ・ミー>>試聴
3. Down in the Depths on the 90th Floor/ダウン・イン・ザ・デプスス >>試聴
4. I Am Loved/アイ・アム・ラヴド>>試聴
5. It's De-Lovely/イッツ・デラヴリー>>試聴
6. I Concentrate on You/アイ・コンセントレイト・オン・ユー>>試聴
7. I Get a Kick Out of You/君にこそ心ときめく>>試聴
8. All of You/オール・オブ・ユー>>試聴
9. Just One of Those Things/ジャスト・ワン・オブ・ゾーズ・シングズ>>試聴
10. So Near and Yet So Far/ソー・ニア・アンド・イェット・ソー・ファー>>試聴
11. True Love/トゥルー・ラヴ>>試聴
12. Anything Goes/エニシング・ゴーズ>>試聴
13. Night and Day/夜も昼も>>試聴
14. Let's Fly Away/レッツ・フライ・アウェイ>>試聴
 


 『レッツ・フライ・アウェイ』は、現在、日本を代表する男性ジャズ・ヴォーカリストの一人、金丸正城の第三作目になる。1994年の『メーク・ミー・レインボウ』、2000年の『シングス・コールド・ラヴ』に続くものだ。その実力と長いキャリアの割に、寡作だが、若くて綺麗な女性歌手に比べて売りにくいという、これは、男性ジャズ・ヴォーカリストのコマーシャルな面でのハンディのなせる業だろう。どのアルバムも内容的には、第一級のものなのだが。

 今回は、シナトラ・ソサエティ・オブ・ジャパン推薦盤としてSSJレーベルからのリリースなので、シナトラのような小粋にスイングする作品にしようということで、『コール・ポーター・ソングブック』に決めたという。コール・ポーターは、以前、連続リサイタルでも最初に取り上げた金丸の好きな作家の一人で、今までかなり歌い込んできている。そして、さらに特色を出すために編曲を、技巧派ジャズ・シンガーのティアニー・サットンの音楽監督も務める今注目のピアニスト、作編曲家のクリスチャン・ジェイコブに頼んだ。曲目、テンポ、キーが決まると金丸は、メトロノームを使ってア・カペラで歌ったものをクリスチャンへ送り、それをベースにメールでやり取りをしながらクリスチャンが編曲を行うという方法で行われた。クリスチャンにとっては、日本人のヴォーカリストのアレンジを担当するというのは、初めての経験だった。カルチャーが違うと、曲の解釈が違うことがあることに気がついたが、それをいちいち分析するなどということはせずに、クリエイティヴなアプローチとして受け止めて編曲を行ったという。彼は、歌詞を非常に大切にしてそれを聞き手に伝える金丸のストーリー・テラーとしての力量に感服し、また大変新鮮な経験だったと言う。
 もうひとつ嬉しいことは、このアルバムでは、ダイアン・ハブカが客演して、金丸とタイトル・ナンバーと「イッツ・デラヴリー」をデュエットして彩りを加えていることだ。彼女は七弦ギターも得意な中堅ジャズ・ヴォーカリストで、自身の素晴らしいアルバムもすでに5枚出しており、中3枚はSSJから発売中だ。

 コール・ポーターは、映画『デラヴリー(五線譜のラブレター)』(2004)でも紹介されていたが、上流階級の出身でアメリカとヨーロッパを行き来して華麗な生涯を送った人だ。歌は、曲想が他の作家と一味違い、エレガントで、高度に洗練されたもので、ウィットに富んでいる。曲の形式も込み入っているものが多い。彼は、殆どの作品を作曲も作詞も自らの手で行った。その歌作りに関してこんなことを言っていたという。「先ず、歌のアイディアが浮かぶとそれのタイトルを決める。そしてそのタイトルに沿ったメロディーを考え、そして、歌詞を考える。歌詞は、先ず、エンディングをどうするか、を決めてから書いてゆく。歌は、エンディングが非常に大切だと思う。作詞は、あたかもクロスワード・パズルをするようなものだ」。
 今回は、そんな彼のよく知られたスタンダード・ナンバーを中心に「アイ・アム・ラヴド」、「ソー・ニア・アンド・イェット・ソー・ファー」、「レッツ・フライ・アウェイ」など比較的目新しい曲も含まれている。コール・ポーターの歌詞には、その時代の社会背景を反映した固有名詞が出てくるものが少なくない。今回も禁酒法だとか、新聞のコラムニスト、ゴシップ・レポーターの先駆けウォルター・ウィンチェルの名前などが出てきたりするが、『コール・ポーター・ソングブック』ということで、あえて現代的に変えることはせず、原詞通りに歌っている。

 金丸正城は、1949年2月19日に東京で生まれた。中学時代から合唱団で歌い、ブラスバンドでクラリネットも吹いていた。高校時代に仲間とバンドを組みジャズを始めた。上智大学英文科に進み、ジャズ研に入ると同時にマーサ三宅の門をたたき本格的に歌い始める。この時、マーサからピアノを勉強することを勧められてヤマハに通うが、これがその後の仕事に大変役立っているという。1976年からは、ライヴハウスでの活躍と並行してマーサ三宅・ヴォーカル・ハウスの講師を務めている。同年に横浜のイギリス館で初リサイタルを開いた。1982年からは、評論家、青木啓氏の監修でドリー・ベイカー、澤田靖司、高岡けい子と4人で尾田悟(ts)のバンドをバックに『ジャズ1001全曲コンサート』のシリーズを始める。「1001」に載っている楽曲1001曲をABC順に歌って行く面白い企画だった。誰がどの歌を歌うかという会議では、まだ新人だった彼は、いつも残り物を割り当てられたが、大変勉強になったという。1983年12月からは、自らの企画、構成、演出で『偉大なるアメリカン・ポピュラー・ソングの作家たち』という連続リサイタルを開始する。はじめは、彼の好きなガーシュイン、ロジャース&ハート、コール・ポーターの3回の予定だったが、大変評判が良く、結局、10人の作家の作品を毎回20数曲歌う10回の連続リサイタルとなり、各方面から注目を浴び、「日本ジャズ・ヴォーカル賞」奨励賞を受賞した。1995年から毎年行われている『ザ・ジャパン・ジャズ・ヴォーカル・ジャンボリー』にも中心的歌手、オーガナイザーとして最初から携わっている。
 その他、NHKの『レッツ・シング・ア・ソング』、『セッション』等のラジオTVにも出演、歌手としての活動の他、リサイタルの演出、レコード解説、アメリカン・ポピュラー・ソングの研究家としての執筆活動も行っている。また、カルチャー・センターなどでジャズ・ヴォーカルのコーチ、教師として多くの後進の指導にもあたっている。

@フロム・ジス・モーメント・オン
1950年のミュージカル『アウト・オブ・ジス・ワールド』のために書かれたが、本公演では使用されず、ミュージカル『キス・ミー・ケイト』が1953年にMGMで映画化された折に使われた。この映画のサウンドトラック盤は、ベスト・セラーになっている。ピアノ、ギター、トロンボーンのソロも挟んで金丸は、恋の成就の喜びを楽しげに歌う。

Aイッツ・オールライト・ウィズ・ミー
1953年のミュージカル『カン・カン』の中で歌われたナンバー。このミュージカルが1960年に20世紀フォックスで映画化された時は、フランク・シナトラが歌った。金丸も素晴らしく説得力のある歌を聞かせる。クリスチャンのピアノ・ソロも素晴らしい。

Bダウン・イン・ザ・デプスス
1936年のミュージカル『レッド・ホット・アンド・ブルー!』の中でエセル・マーマンが歌った。ちょっとシニカルな面白い編曲で、愛する人を盗られた金持ちの男の悲しみを表現する。

Cアイ・アム・ラヴド
1950年のミュージカル『アウト・オブ・ジス・ワールド』の中で歌われたナンバー。金丸は、好きな人に愛される喜びを明るく歌っている。伊勢秀一郎のフリューゲルホーンのオブリガートも効果的だ。

Dイッツ・デラヴリー
1936年のエセル・マーマンとボブ・ホープ主演のミュージカル『レッド・ホット・アンド・ブルー!』の中で歌われたナンバー。すてきな夜に散歩する恋人同士の会話といったダイアンとの楽しいデュエット。

Eアイ・コンセントレート・オン・ユー
1940年公開のミュージカル映画『ザ・ブロードウェイ・メロディー・オブ・1940(踊るニュウ・ヨーク)』の中で歌われた。「どんな逆風の中でも君のことをじっと想う」といったこの歌だけはバラードで歌っている。大変に印象的な歌唱だ。

F君にこそ心ときめく
1934年のミュージカル『エニシング・ゴーズ』の中でエセル・マーマンとウィリアム・ギャクストンによって紹介された。1936年の映画化の際にも彼女が、ビング・クロスビーと歌っている。ヴァースから歌い、クリスチャンのピアノ・ソロがはいり、スキャットでのドラムスとの掛け合いなどもやりながら快調に歌う。

Gオール・オブ・ユー
1955年コール・ポーターの最後のミュージカル・コメディー『シルク・ストッキングス(絹の靴下)』の中でドン・アメチによって歌われた。1957年のMGMの映画化では、フレッド・アステアが歌っている。「君のすべてが好き、だから少しでも良いから私にも好意を持って」といった歌をスキャットも交え甘いムードで歌う。ここでもクリスチャンの華麗なピアノ・ソロが聞ける。

Hジャスト・ワン・オブ・ゾーズ・シングス
1935年のミュージカル『ジュビリー』の中でジューン・ナイトとチャールズ・ウォルターズによって紹介された。コール・ポーターが一晩で書き上げたナ
Iソー・ニア・アンド・イェット・ソー・ファー
1941年のフレッド・アステアとリタ・ヘイワース主演のミュージカル映画『ユール・ネヴァー・ゲット・リッチ(踊る結婚式)』の中で歌われた。「輝く星のように近くに見えても手の届かない貴女」という歌をギター、フリューゲルホーン、ベースのソロも交えて歌う。エンディングが印象的だ。

Jトゥルー・ラヴ
1956年のミュージカル映画『ハイ・ソサエティ(上流社会)』」の中でビング・クロスビーとグレース・ケリーが歌った。金丸はハミングでワン・コーラスを歌った後、歌詞を歌い、ピアノ・ソロが入り、スキャットでカントリー・ワルツを踊るように心地よく歌う。

Kエニシング・ゴーズ
1934年の同名ミュージカルでエセル・マーマンとアンサンブルが歌った。トロンボーンやベース・ソロも入り、金丸は、指をならしながら軽快にスイングする。

L夜も昼も
1932年のミュージカル『ゲイ・デヴォース』の中でフレッド・アステアが歌った。ヴァースを最後に持ってくるという構成で、ピアノだけをバックに歌う。

Mレッツ・フライ・アウェイ
1930年のミュージカル『ザ・ニューヨーカーズ』の中でチャールス・キングとホープ・ウィリアムズによって歌われた。「都会は飽きた、暖かい南の島へ逃げましょう」といった歌をスキャットも交えてダイアンと掛け合う楽しいデュエット。ギター・ソロが素晴らしい。



(2008年8月3日 高田 敬三)
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