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『レッツ・ビー・フランク』 / ピーター・マーシャル with カラブリア・フォーティー Let's Be Frank/ Peter Marshall

フランク・シナトラ Frank Sinatra SSJ Presents CD

sinatra society of japan

Frank Sinatra フランク・シナトラ

スタンダード・ヴォーカル、ジャズ・ヴォーカルのトップ・スター=フランク・ シナトラ。
シナトラ・ソサエティ・オブ・ジャパン(Sinatra Society of Japan)は、 1981年12月13日、
シナトラの67歳の誕生日の前日、 つまりアメリカ時間で当日に、 熱心なシナトラ・ファン4人によって設立されました。

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sinatra society of japanTOPSinatra Society of Japan presents新録音シリーズ)>『イッツ・ビーン・ア・ロング・ロング・タイム ― ドン・シャープ・ミーツ・笠井義正』 /笠井義正


『イッツ・ビーン・ア・ロング・ロング・タイム ― ドン・シャープ・ミーツ・笠井義正』 /笠井義正

It's Been a Long Long Time -
Don Sharp Meets Yoshimasa Kasai/
Yoshimasa Kasai

\2,800 (XQAM-1811) 原盤:
Ahbeau
録音:2013年/東京
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ニューオリンズ・ジャズの真髄を今に伝えるトラッド・ジャズの第一人者、笠井義正とベテラン・トロンボーン奏者ドン・シャープ、38年ぶりのリユニオン・コンサート。
サー・チャールス・トンプソンと笠井義正の共演ライヴから、笠井のテーマ・ソングを1曲追録。

 


11. I Can't Give You Anything but Love/フォー・オール・ウィー・ノウ >>試聴 12. Tiger Rag/スマイル >>試聴
1.

It's Been a Long Long Time/イッツ・ビーン・ア・ロング・ロング・タイム    >>試聴

2. The Darktown Strutters' Ball/ザ・ダークタウン・ストラッターズ・ボール    >>試聴
3. Basin Street Blues/ベイスン・ストリート・ブルース   >>試聴
4. My Blue Heaven/マイ・ブルー・ヘヴン   >>試聴
5. South/サウス   >>試聴
6. That's a Plenty/ザッツ・ア・プレンティー   >>試聴
7. Star Dust/スターダスト   >>試聴
8. I Got Rhythm/アイ・ガット・リズム   >>試聴
9. If I Had You/イフ・アイ・ハッド・ユー   >>試聴
10. Doctor Jazz/ドクター・ジャズ   >>試聴
11.

I Can't Give You Anything but Love/
アイ・キャント・ギヴ・ユー・エニシング・バット・ラヴ   >>試聴

12. Tiger Rag/タイガー・ラグ   >>試聴
13.

Linger Awhile/リンガー・アホワイル   >>試聴

14.Do You Know What It Means to Miss New Orleans/
ドゥ・ユー・ノウ・ホワット・イット・ミーンズ・トゥ・ミス・ニューオリンズ (ボーナス・トラック)
>>試聴
 
 

 笠井義正は50年余りにわたってニューオルリンズ・ジャズを研究し演奏しつづけているクラリネット(ソプラノ、テナーサックスとも)奏者である。その笠井が今回はその成果をひっさげてディキシーランド・ジャズをやりたいという。その相手に選んだのは今回のゲスト、ドン・シャープ(トロンボーン、ヴォーカル)であった。
 笠井とドンの出会いは38年前にさかのぼる。1975年、ハワイ・ホノルルにおけるジャズ・セッションで共演、若き2人は音楽を通じて意気投合し、いつか共演を果たそうと約束した。ディキシーランド・ジャズをやりたいと思い立った笠井が真っ先に思い出したのがドン・シャープであった。笠井はアメリカ在住のドン・シャープに依頼の電話を入れた。話が弾むうちにどちらからともなく、“It’s Been a Long, Long Time”(お久しぶりね)のメロディーを口笛とハミングで電話口を通じて合奏してしまった・・・・ということで、ドンの来日で実現した今回のコンサートのオープニングはこの曲に決まり、CDのタイトルにも“It’s Been a Long, Long Time”が採用された。
 コンサートが行われたのは、東京・北沢タウンホールといい、サブカルチャーのメッカともいわれる下北沢の街中にある。下北沢はコンサートの約3ヶ月前、3月23日(2013年)に一部路線(小田急電鉄)の地下駅化が完成、廃線となって電車の通らなくなった旧シモキタ踏切から数百メートルのところ。有名な芝居小屋も立ち並ぶ一角を占める。今回のディキシーランド・ジャズがよく似合う街ともいえる。笠井の凄いところは、こうした街ぐるみの雰囲気も大切にしてこのホールでのコンサートを行う決定をしたところにある。一方では、通常ニューオルリンズ・ジャズをやるメンバーとは少し演奏の好みの違うアーティストの参加を求め、いつもと違うディキシーランド・ジャズのある種華麗で楽しい雰囲気を狙ったあたりも長年の経験から来るところなのだろう。

 ゲストのドン・シャープは1960年代からトラディショナル(ジャズ)界で活躍する実力トロンボーン奏者。ディキシーランド・ジャズにおいて重要なポジションであるトロンボーンが全体の雰囲気を決めるといってもよく、彼はキッド・オリーやトラミー・ヤングといった名トロンボニストに師事して、その辺の勘所を心得た奏者。そして唄もうたう。
 彼のトロンボーンをして、テイルゲイト・トロンボーンと称するが、スライドをいっぱいに伸縮させたダイナミックの奏法で、本来、初期のニューオルリンズ・ジャズが馬車の荷台にメンバー全員が乗って演奏しながらパレードを行うという場面が日常的に見られたが、その折、トロンボーンはスライドの動くスペースを確保するために荷台の後に陣取った。荷台の後の乗降口の事をテイルゲイトといったから・・・・・とか。スライドが馬車の荷台に尻尾があるように見えたから・・・・・とか。諸説があるが、とにかくこのニューオルリンズ由来の豪快な奏法をテイルゲイトと呼びならわしている。テイルゲイトの名人キッド・オリーは晩年までハワイに在住し、ドンとは親交もあり、そのスタイルの薫陶を受けたのであろう。
 ドンも含めて一部メンバーを通常と変更して笠井が望んだディキシーランドとはどんなものか・・・・楽器編成はニューオルリンズの場合とほとんど同じと見てよいが、サウンド構造の上で顕著な違いがある。それはニューオルリンズがブラスバンド由来の合奏に重点があり、いわゆるコレクティヴ・インプロヴィゼーションによる全員での即興演奏を大切にする。それに対して、ディキシーランドはアンサンブル構成の規則性、サウンドの華やかさ、一人一人のソロ重視、演奏楽曲の多様さなどが特徴といえる。現代ではその境界は厳密なものではなく、強いていえば前者はジョージ・ルイスなどに代表されるある種素朴な演奏、後者は白人ジャズメンによるエンターテインメントとしてのスタイル、ないしはカリフォルニア・ディキシーと呼ばれるより洗練された西海岸中心に注目されたスタイルなどを指すと考えてよいだろう。

収録曲解説

@イッツ・ビーン・ア・ロング、ロング・タイム
ドンと笠井の再会のメモリアル。ピアノはもう一人のゲスト、山本英次(ピアノ、トランペット)が担当。パーラー・ピアノの名人らしい小技が、笠井がドンを紹介する場面のバックできける(バックの音量を下げて演奏)。ドンと笠井の整然としたディキシー・スタイルのアンサンブルがこのセッションへの期待をあおる。邦題は「お久しぶりね」といい1945年の作品。
Aザ・ダークタウン・ストラッターズ・ボール
ODJB、ジョージ・ウェットリングなどの著名バンドが好んで演奏した1917年の古典。全員の合奏で、ドンのテイルゲイト・スタイルのソロ、笠井のソプラノサックス・ソロが快調に展開。若手トランペット奏者、小森信明、このところますます腕を上げる後藤千香(ピアノ)、笠井グループのレギュラー、バンジョーの丸山朝光、同じく小林真人(ベース)、このセッションのために笠井が白羽の矢を立てた楠堂浩己(ドラムス/デキシー・キングスのレギュラー)らのソロが演奏を盛り上げる。ラスト・コーラスのアンサンブルの構成は典型的なディキシーランド。
Bベイスン・ストリート・ブルース
スペンサー・ウィリアムスが1928年に書いたトラディショナル・スタンダード。ドンのヴォーカルとトロンボーン・ソロがフィーチャーされ、ほとんど彼の独壇場。フィーリングといいテクニックといいベテラン ? 本場のテイスト。出だしのコルネットはドン。
Cマイ・ブルー・ヘヴン
年代的には1927年作品。邦訳は「私の青空」といい、有名ジャズ・アーティスト、ヴォーカリストがレコーディングしている。我国ではコメディアン榎本健一が浅草オペラの1曲として唄っている。ドンのトロンボーンのストレートなメロディーに続いて心地よいテノールが冴える。ほのぼのとした雰囲気がすごくいい。
Dサウス
1924年作品。ディキシーのスタンダードとしてローソン/ハガード、ルイ・アームストロング、ルー・ワターズ他、多くのアーティストが演奏している。合奏とソロによる典型的なディキシーランド・スタイルをきかせる。とくにドンのテイルゲイト・トロンボーンの効果的なフィルインが楽しい。
Eザッツ・ア・プレンティー
これもディキシーのスタンダード、1927年の曲。もちろんキッド・オリーもやっている。他にエディ・コンドン、ワールド・グレード・ジャズバンド等が録音している。インタールードを含んで3つのパートから構成されている古典的楽曲。グループは丁寧に演奏している。笠井のクラリネットはいかにもディキシーランド風、奥井啓介がコルネットで加わる。
Fスターダスト
ホーギー・カーマイケル1929年作の代表曲。ドンと山本のピアノで演奏する。ヴァースからトロンボーンが丁寧に吹き、ピアノとの絶妙なコラボレーションを展開。ドンのヴォーカルも楽しめる。
Gアイ・ガット・リズム
ジョージ・ガーシュイン1930年作品。後藤のピアノが加わったリズム・セクションとドンと笠井によるスウィンギーな演奏をきかせる。2人の管はもちろんだが、リズム隊のそれぞれのソロもなかなかきかせる。
Hイフ・アイ・ハッド・ユー
前の曲と同じメンバーによる演奏。1928年の佳曲。サー・チャールス・トンプソンやボブ・クロスビーらも好んで演奏した。ここではドンのヴォーカルも入って楽しい。トロンボーン・ソロ、クラリネット・ソロもなかなかいい。
Iドクター・ジャズ
キング・オリヴァー以来、ディキシーの古典として親しまれた名曲(1927年作品)。ドンのヴォーカルも加わる全員による演奏。ドンのヴォーカルがよい雰囲気。後藤のピアノ・ソロも秀逸。
Jアイ・キャント・ギヴ・ユー・エニシング・バット・ラヴ
1928年にジミー・マクヒューが書いたスタンダード。ドンのヴォーカルのあと、山本英次のコルネット・ソロが続く。山本は本日の久々のソロのため前日、自宅付近の公園で練習したという。その成果のほどは如何に。
Kタイガー・ラグ
超有名なディキシーランドの定番。トロンボーンが虎の咆哮を模するので有名。トロンボーン奏者が大暴れをするパフォーマンスをやる。ここでもドンが主役、メンバー全員参加で虎を捕まえてめでたし、めでたし。ODJBのニック・ラロッカ1917年の作とされる。
Lリンガー・アホワイル
1923年にヴィンセント・ローズが書いたポピュラー楽曲。ラス・モーガン楽団やサラ・ヴォーンはじめ多くのジャズメンも取り上げる佳曲。笠井とドンはアンコール曲に「離れがたい」という意味があるこの曲を選んだ。ここでは管楽器がストレートにメロディーを演奏、スウィートな雰囲気を出す。
Mドゥ・ユー・ノウ・ホワット・イット・ミーンズ・トゥ・ミス・ニューオリンズ
笠井がテーマ曲としている佳曲。アルバムのラストの締めくくりとなるこの曲は、昨年(2012年)5月18日にヤマハホールで行われた笠井とサー・チャールス・トンプソンの『CD発売記念コンサート』での演奏が収録されている。サー・チャールスのソロはほとんど単音のアドリブだが、圧倒的な完成度、キャリアと実力を感じさせる。笠井のソロは前半クラリネット、後半ソプラノ・サックスで奏でるが、これも見事な出来栄え、エンディングにふさわしい。
                                                (2013年9月 加藤しげき)

パーソネル:
 1 – 13    笠井義正(cl on 1, 5, 6, 8 – 10 / ss on 2 – 4, 11 – 13)
        ドン・シャープ(tb on 1 – 13 / cor on 3 / vo on 3, 4, 7, 9 – 11)
       小森信明(tp on 2 – 6, 10 – 13)
       山本英次(cor on 2 – 6, 10 – 13 / p on 1、7)
          奥井啓介(cor on 6, 13)
       後藤千香(p on 2 – 6, 8 – 13)
       丸山朝光(bj on 1 – 6, 8 – 13)
       小林真人(b on 1 – 6, 8 – 13)
             楠堂浩己(ds on 1 – 6, 8 – 13)
 14       笠井義正(cl, ss)
       サー・チャールス・トンプソン(p)
             小林真人(b)
       八木秀樹(ds)
録音:
 1 – 13   2013年6月10日/東京・北沢タウンホール(下北沢)
 14       2012年5月18日/東京・ヤマハホール(銀座)
エンジニア(録音・ミックス・マスタリング):加藤しげき
解説:    加藤しげき
写真:     中村英明
デザイン: カート・ライケンバック


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